重金属不溶化吸着材料 環境材料エンジニアリング/不溶化について

トップページ>不溶化について
不溶化とは

不溶化の概要

不溶化とは、土壌。岩石からの重金属などの溶出を、鉱物を用いて地球化学的に安定させることで溶出を制御する技術です。

不溶化の要件

(株)環境材料エンジニアリングでは、不溶化材・吸着材を以下のコンセプトに基づき開発しています。

  • 重金属類に直接作用し、作用機構が明確であること。
  • 自然条件下において、生じうる作用・現象を利用(自然浄化)
  • 自然条件下において、材自体が安定、安全
  • 使用条件下において、極めて不可逆的に重金属類を吸着、収着

不溶化の機構

(株)環境材料エンジニアリングでは、主に「結晶生成の利用」と「吸着鉱物の利用」を不溶化現 象に利用 しています。

結晶生成の利用

吸着鉱物の構成元素を添加することにより、対象物中で吸着特性を持った鉱物を生成させ、反 応時に対 象とする重金属類を取り込み不溶化します。 不溶化は吸着鉱物の生成を促す形で行うため、対象物の組成によって資材構成要素をカスタマイズします。

■ハイドロタルサイト Hydrotalcite  Mg6Al2(CO3) (OH) 16・4H2O

ハイドロタルサイトは、マグネシウムとアルミニウム化合物による層状の結晶構造を持ってい る。この 層間にある陰イオンは交換可能で、もとも と層間に入っている物質と対象重金属との電荷の差等の条件により交換される。

図-ハイドロタルサイトの模式図とインターカレーション
ハイドロタルサイトの模式図とインターカレーション
ハイドロタルサイトは、pH=4~13、300℃まで安定であることが確認されている。

 

吸着鉱物の利用

化学特性や物理性状について吸着鉱物として規格化された資材を対象物に添加することによ り、重金属 を鉱物中に取り込み不溶化します。吸着鉱 物の機能を最大限作用させるため、対象環境の把握を綿密に行い、必要に応じて対象環境のコントロールを含めたご提案をいたしま す。

■シュベルトマナイト Schwertmannite  Fe8O8(OH)8-2X(SO4)X・nH2O(1≦x≦1.75)

シュベルトマナイトは、自然界では鉄に硫酸イオンが配位したトンネル型の構造をしており、 硫酸イオ ンとの配位子交換により、最大で自重の 4~8wt%のヒ素を吸着する。シュベルトマナイトは低結晶性の鉄鉱物で、結晶性の鉄鉱物ゲータイトの準安定相鉱物であるが、ヒ 素を吸着することで溶解度 が下がり、構造的に安定となる。

図-シュベルトマナイトの模式図
シュベルトマナイトの模式図
トンネル型をした鉄鉱物
自然に堆積したシュベルトマナイトを含む地層について炭素半減法により年代測定したところ、1万8000年以上安定であった ことが確認されている。